自習スペースの使い方について説明を受ける新入生と保護者=岐阜県多治見市
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 私立中京高校(岐阜県瑞浪市)がJR多治見駅前の複合商業施設内に生徒が利用できる自習スペースを設置した。このスペース、通信制課程の生徒の負担を軽減する狙いもあるという。

 多治見駅前(同県多治見市)の「プラティ多治見」は、昨春に全面開業したばかりの複合商業施設だ。

 この施設の3階に今月オープンしたのが中京高校の「多治見ブランチ」。90平方メートルの部屋はカフェのような雰囲気の自習スペースで、教職員1人が常駐するのが特徴だ。利用料は月額5千円。午前9時から午後8時まで開いていて、日中は通信制、夕方以降は全日制の生徒が利用することを想定している。

 自習スペースを設置した理由の一つが「通信制の生徒の費用負担の軽減」だという。

 通信制課程の小栗宗一副校長は「通信制の場合、勉強するのにサポート校を利用する生徒も多く、費用負担が課題になっていた」と説明する。

 サポート校とは、通信制の生徒を支援するために設けられる学びの場だ。塾などが学校側と提携して日中の勉強場所の提供などをする。学習指導も行うが、授業料とは別に費用がかかる。中京高通信制の生徒もサポート校を利用する生徒が多く、費用負担は年間30万~60万円程度になるという。

学校来るのが苦手でも、校舎に通わず単位取得

 今回の自習スペースは、サポート校の代わりに利用でき、費用負担が抑えられる。4月に入学した新入生の保護者は「お金がかかるのが心配だったので、塾に通うより安く気軽に来られるのは助かる。先生がいつもいるのは心強い」と話す。

 また、通信制では単位取得のため「スクーリング」と呼ばれる登校しての面接指導を一定の日数、受けなければいけない。ただ、学校に来ること自体が苦手な生徒も多い。自習スペースはスクーリングができる場所としても登録されており、校舎に通わずに単位を取得することもできる。

 少子化でも通信制の生徒数は…

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